グレインフリーという幻想

雑穀不使用(グレインフリー)ドッグフードについて
穀物入りのドッグフードはよろしくないのか?!
「穀物を使っていないドッグフードはありませんか?」
「穀物が入っているドッグフードは選べません!」
犬猫自然食本舗にも、このようなお声やお問い合わせをいただくことが多々あります。
『穀物』は、本来は肉食である犬にとって消化が悪く、必要のない食材だと言われることがありますが、 本当でしょうか?
結論から言ってしまうと、この「穀物不要論」は、
さしたる科学的な根拠があるわけではなく、 「穀物不使用」を“売り”にしたいと考えた、
とあるドッグフードメーカーが 大々的に広告宣伝を行った結果、
その説が一人歩きして広く信じられるようになってしまったものです。

犬はオオカミの子孫なので肉食?
穀物不要論を唱える人たちの主張は、ざっくり言うとこんな感じです。
「犬の祖先であるオオカミは肉食動物であり、穀物を消化することができない。 したがって、お肉を中心とした食餌こそが犬にとって最もふさわしいものであり、 穀物入りのドッグフードは、消化が悪く、犬にとって負担が大きい。」
はたして、そうでしょうか?!
まず、犬がオオカミの子孫だから肉食動物であるとする迷信(?)ですが、 生物学上、犬がオオカミから進化した子孫であることには異論がありません。
しかし、オオカミが人間によって家畜化されて、犬へと分岐したとされる時期は 諸説あるようですが、4万年から1万年以上も前の事とされています。
総合栄養食の栄養基準を満たすためにはどうしてもビタミンやミネラルを加えて調整する必要があり、グリーンプラスの自然の素材のみで作るというコンセプトから外れてしまうため加えておりません。
しかし栄養バランスが著しく悪いということではなく、またサプリメント等で補わなければならないほど不足している栄養素はありませんので、グリーンプラスだけで栄養不足になることはございません。主食として安心してご利用いただけます。
オオカミから“進化”そして犬となる
オオカミが犬となり、人間と暮らすようになると、長い年月をかけて、しだいに穀物を消化できるようになっていきました。
それはなぜでしょうか?
その答えは、犬と人との1万年以上にわたる共同生活の中にあります。
オオカミが人のそばで暮らしはじめると、その食餌は「狩りで捕える獲物」から 「人が分け与えるでんぷん質の多いおこぼれ」に変わっていきました。
その中で「でんぷんを上手く消化吸収できる個体」が生存競争に勝ち残り、犬になったのです。
2013年にスウェーデンの大学を中心とするチームが発表した研究結果によると、 犬の膵液に含まれるアミラーゼというでんぷん消化酵素はオオカミのそれより 28倍も活性が高いことが判明しています。
このことが物語るのは、犬は決してオオカミ(=肉食動物)ではない ということです。
人との共同生活の中で、穀物も食べる雑食動物へと進化した、オオカミとは違う生き物なのです。
雑食とはいえ、なんでも消化できるわけではない
オオカミから進化して、雑食という食性を身につけた犬ですが、だからといって、なんでも消化できるというわけでもありません。
「じゃあ、やっぱり穀物はダメなの?」
私たち人間と同じで、穀物は食べられます。
あえて、人間と同じという言い方をしたのは、つまりこういうことです。
人間も、お米や豆を生のままで食べると、おそらくお腹をこわします。
お腹をこわさないまでも、消化されにくく、そこから摂れる栄養はごく限られたものになってしまうはずです。
加熱してアルファ化することで消化吸収できる
ではどうするか。
お米も豆も、炊いたり煮たりして、つまり加熱して食べますよね。 加熱することによって、消化吸収が可能になるのです。
穀物はその成分の多くを「でんぷん」が占めており、 その「でんぷん」は糖の粒がぎっしりと固まった形状になっています。
これに水を加えて加熱すると、粒がほぐれて分解されやすい「アルファ化」という状態になります。
そして、アルファ化されたでんぷんを摂取すると、消化酵素の働きで分解され小腸から吸収することができます。
生のお米は消化が悪くても、炊いたご飯はきちんと消化吸収されるのは、こういうことなのです。
この仕組みは人も犬も変わりません。
アルファ化されたでんぷんは、犬の体内で、膵液に含まれるアミラーゼというでんぷん消化酵素で分解されます。
つまり、アルファ化された穀物を犬は消化できるのです。
市販のドッグフードに含まれるでんぷんは、その製造過程で加熱加工され、アルファ化されています。
したがって、ドッグフードに穀物が含まれていても、 犬の消化には全く問題はなく、そこに含まれる良質な栄養を 摂ることができるのです。
肉食だから穀物は入れないと言っておきながら…
実は「穀物不使用」を標榜するドッグフードも、そのほとんどは穀物とは異なるでんぷん食材を原材料に使っています。
肉食だから → 肉100%使用!
というドッグフードであれば、肉食説の真偽はともかくとして、その主張と製品の一貫性に納得ができないこともありません。
しかしながら、多くの穀物不使用ドッグフードは次のような論理を展開します。
犬はオオカミの子孫だから肉食
↓
穀物は消化できない
↓
ドッグフードに穀物を入れるのはけしからん!
↓
穀物を入れずにドッグフードを作ります
↓
栄養満点の芋や野菜もたっぷり入ってます!
どこかおかしいと思いませんか。
肉食だから穀物はダメ!と言い切っているのに、芋や野菜はいいの???
芋類をたくさん食べると肥満の原因にも
穀物不使用をうたうドッグフードに“なぜか”入れられることが多い ジャガイモやタピオカといった芋類は、血糖値が上がりやすく、かつ下がりやすい高GI食品。
この高GI食品を摂取していると空腹感を感じやすくなり、食べすぎで肥満の原因になることもあります。
それに比べて玄米や大麦などはGI値の低い食品です。実は、こうした穀物を使っているドッグフードの方が、穀物不使用のフードよりも犬にとって健康的だ と言えるのです。
穀物不使用という主張にも一理あるとすれば…
穀物を使わないフードが“台頭”したのにも、それなりの理由があったようです。
その昔、飼い犬のごはんとしてドッグフードが作られるようになったころ、その中身は、人間が食べられない食材や、残りかすなどから作られた 粗悪なものがほとんどでした。(今でもそのようなフードは多く存在しますが、ここではその話は置いておきます。)
そんな頃に作られたドッグフードの中に、穀物をつかって家畜用の飼料と同じ製法で作ったものがありました。
それは、加熱処理すなわちアルファ化されていないままの穀物が入ったものでした。
牛や馬などの、ザ!草食動物は生のままの穀物も問題なく消化吸収できますが、 先に書いた通り、犬は加熱してアルファ化された穀物しか消化できません。
その結果、アルファ化されていない穀物入りのドッグフードを食べた犬たちが、消化しきれずに、 体調を崩すといったことがよくあったといいます。
そこで登場したのが、穀物不使用(グレインフリー)のドッグフードというわけです。
生のままの穀物を使用した粗悪なドッグフードが横行していた時代には、「穀物不使用」には大きな意義があったのかもしれません。
良質の栄養素をバランスよく摂ることが大切です
長々と書いてきましたが、結局のところ、 加熱処理されて、アルファ化された穀物は犬の消化には、全く問題がありません。
ドッグフードにも多く使われている穀物、とりわけ雑穀類は良質なたんぱく質をバランスよく摂ることができるため、犬の健康維持にも大きく貢献してくれるはずです。
「穀物を使用しているからダメ、していないから良い。」
という単純なモノサシではなく、安全で良質な原材料をバランスよく使って作られたドッグフードこそが、愛犬たちに選んであげるべきものではないでしょうか。
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